ドイツのコロナ対応について

ドイツあれこれ

日本はやっと昨日から緊急事態宣言が発令されましたが、ここドイツの状況というものをまとめてみたいと思います。東京のような大都会で厳しい制限というのは難しいのかもしれませんが、ここヨーロッパから見ると日本がやっている対応というのが少し中途半端に見えて、この先が心配です。

たまにドイツがどんな感じなのか聞かれることがあるので、ここでまとめてみることとしました。

ドイツの対応といっても州ごとに異なるので、一概には言えないのですが、ここバーデンヴュルテンベルク州の対応は以下のような感じです。

3月14日(金)に決まったこと

以下、「ドイツにおける新型コロナウィルス 対策」メルマガ引用です。

1.以下の施設の営業停止。
劇場や美術館などの文化施設,各種教育施設(特に研究所,教育施設,市民大学),映画館,スイミングプール,公衆浴場,サウナ,フィットネススタジオ等の閉鎖された室内のスポーツ施設,青少年センター,公立図書館,娯楽施設,風俗施設。
2.病院,リハビリ施設,透析施設,診療所の訪問禁止。例外として,病気の子供の見舞い,精神科医の訪問,危篤者の見舞いは許可される。高齢者施設,介護施設および障害者施設についても施設長の許可のもと,感染予防を行う場合のみ訪問が認められる。呼吸器官に疾患の疑いのある者や,新型コロナウイルス感染者と14日以内に濃厚接触のある者は,上記の全ての施設に入ることができない。
3.飲食店は原則営業できない。ただし,以下の条件を満たした場合のみ営業可能。
(1)テーブル間の距離が最低1.5メートル離れている。
(2)向こう1ヶ月間,感染が発覚した場合,感染者の接触者を追跡調査できる。
4.イベントの開催を以下の通り規定。
(1)100名以上が集まるイベントは,室内外での開催を問わず禁止。100名未満が集まるイベントについても,たとえ家族での集まりであっても,真に必要でないものについては全て開催を見送ることを強く推奨する。
(2)100名未満が集まる公的なイベントについては,担当機関がロベルト・コッホ研究所からの勧告や開催地の感染状況を考慮の上,決定する。
5.学校施設の閉鎖
学校および幼稚園は3月17日から4月19日まで閉鎖される。生徒たちはこの措置により不利益を被らないようにするべく,全ての予定されている卒業試験等は担保される。

因みに、この時点での感染者数は下記の通りでした。(以下引用)

新型コロナウイルスの感染者数は、ドイツ国内8,198人(18日午前0時時点。ロベルト・コッホ研究所発表)に上ります。また、各州の発表(バイエルン(BY)州17日午後0時、バーデン=ヴュルテンベルク(BW)州17日午後3時時点)によると、BY州1,798人、BW州1,641人となっており、両州において広域に感染者が広がっています。

この時点で現在の東京と同じくらいの感染者数だと言えますが、BW州の方がもちろん人口密度は低いです。

3月20日 改定

感染者が増え続けていることを考慮し、下記のように改定されました。(以下、引用です。太字マーカーは私が勝手にしています。)

1.明日21日より,すべての飲食店を閉鎖する(但し,宅配,持ち帰りは例外)。今日から飲食店を訪れないでほしい。

2.公共での3人以上のグループでの集会・会合は禁止され,罰則が科される(但し,家族・パートナーは例外)。私的にも会合を控え,人との接触を控えてほしい。公共における集会・会合の禁止については,今週末から警察が取り締まり,違反には25000ユーロまでの罰金もしくは複数年の懲役が科される可能性がある。

詳細は下記の通りです。

1.集会やその他の行事に関する規定
(1)3名を超える集団での公共の場所および公道に集まることは、避けられない場合を除いて許可されない。
(2)その他の場所においては、5人を超える公的・私的の行事および集会等は禁止。(但し,州議会および地方議会で規定された集会の権利は留保される。特に、スポーツおよび余暇施設や団体における会合、市民学校・音楽学校等の活動や、公的・私的な教育施設における課外活動に対して適用される。
(3)以下の集まりについては上記の例外とする。
(a) 両親、祖父母、子供、孫といった直属の親族
(b) 配偶者、パートナー
(c) 住居を共にする共同生活者
(d) 商業活動による理由で集まることが避けられない場合
(4)公共の秩序や福祉の維持に関わる集会については,上記(1),(2)の例外とする。具体的には、裁判所、検察、公証人に関わる当局や事務所、公法にかかる業務を担当する施設におけるものを指す。
(5)教会、モスク、シナゴーグおよびその他の宗教施設における会合は禁止とする。ただし、文化・青少年・スポーツ省が十分な感染予防措置が取られていることに配慮し,詳細な規定の下で許可したものは例外とする。
(6)ロベルト・コッホ研究所が規定したドイツ国外の危険地域からのバーデン=ヴュルテンベルク州への通行および旅行は禁止する。例外は、通勤・仕事にかかる用件での移動、自宅へ向かうこと、物品を運ぶために特定の場所へ行くこと、その他家族の死去など十分な理由のある個人的な移動。右例外における移動については可及的速やかに実行し、途中で買い物に行くなどの異なる行為は許可されない。また、通勤や仕事にかかる移動に関しては、州警察の通勤証明あるいは職業活動を目的としたドイツへの入国を証明する書類を携帯する必要がある。

2.施設の営業等に関する規定(4月19日まで)
(1)以下の施設の営業停止。
劇場や美術館などの文化施設,各種教育施設(特に研究所,教育施設,市民大学),映画館,プール,公衆浴場,サウナ,公私のフィットネススタジオ・ダンススクール等の閉鎖された室内のスポーツ施設,青少年センター,公立図書館,ゲーム機器のある室内遊技場・賭博場,風俗施設、カフェ、アイスクリーム店、バー、水タバコバー、クラブ、ディスコ、居酒屋、メッセ会場、展示会会場、動物園、遊園地、動物園、屋内外で各種レクリエーション活動を提供するもの、専門マーケット、特にアウトレットセンターなど以下(2)に含まれない商店、公共の子供のあそび広場やスポーツ広場、理髪店、タトゥースタジオ、ピアススタジオ、マッサージ店、メイクサロン、ネイルサロン、ペディキュアサロン等の美容面での足のケアを
行う施設、日焼けサロン、宿泊施設、キャンプ場、トレーラーハウス駐車場。ただし、宿泊施設については仕事に関する宿泊や私的な緊急な要件に関する宿泊は例外的に認める。
(2)独連邦政府の発表に基づき、以下の施設は閉鎖されない。
食料品・飲料品販売店,市場、宅配サービス,飲食店による屋外販売、炊き出し場所、薬局,衛生・医療関連施設,ドラッグストア、補聴器販売店、眼鏡店、医療的な足のケアを行う診療所、ガソリンスタンド,銀行,郵便局,通信網にかかるサービス、クリーニング店,コインランドリー,新聞販売店,卸売店、農業・建築・ガーデニング関連施設、動物関連施設。
上記のうち、(1)で記載された業務についても同時に提供している場所については、(1)の業務に関する商品等は販売中止とし、顧客から隔離させなければならない。ただし、衛生条件を十分に満たしている場合においては、その限りではない。
これらについては,当面の間,12時から18時までの間は日祝祭日の営業が認められる。該当店舗が以前より日祝祭日に右よりも長い営業時間を定めている場合はこの限りではない。
(3)サービス業、手工業、工房等に従事する者は、(1)に業務が含まれない限りは引き続き営業を行ってよい。

3.病院,リハビリ施設,透析施設,診療所の訪問について、介護施設等への認知症患者へのボランティア等についても、当面の間は中止とする。

4.飲食店は原則営業できない。ただし,以下の条件を満たした場合のみ午前6時から午後6時まで営業可能。
・テーブル間の距離が最低1.5メートル離れている。

5.学校施設の閉鎖
学校および幼稚園は3月17日から4月19日まで閉鎖される。生徒たちはこの措置により不利益を被らないようにするべく,全ての予定されている卒業試験等は担保される。

6.本州令は,6月15日に効力を失う。

3月22日 ドイツ全土に適用される内容

【新たなガイドライン】

1 同居家族等以外の他人との接触は絶対に必要な最低限とすること。

2 公共空間において,他人との距離を必ず最低1.5メートル,可能であれば2メートル以上とること。

3 公共空間における滞在は,単身か,または家族以外の1名,または家族の同伴に限り認められる。

4 職場への通勤,緊急時ケア(託児,高齢者介護等),買い物,通院,試験や会議等重要な日程,他者の支援,個人によるスポーツ,屋外での新鮮な空気を吸うための運動やその他必要な活動のための外出は,引き続き認められる。

5 ドイツにおける深刻な状況に鑑み,グループによるパーティーは,公共の場所か私的な空間(住居)かを問わず許容されない。秩序局または警察が取り締まり,違反行為には罰則が適用される。

6 すべての飲食店は閉鎖する。ただし配達サービスや持ち帰り等により,個人が自宅で飲食するための料理の販売は例外。

7 理髪業,美容サロン,マッサージ業,タトゥー業など,身体のケアに関わるサービス業は,近距離での身体の接触を避けられない職種であり,本ガイドラインに合致しないため,すべて閉鎖する。ただし,医療上必要な治療は引き続き認められる。

8 人々との接触があり得るすべての現場については,公衆衛生に関する規則を守り,従業員や訪問客に対する効果的な保護措置を実施することが重要である。

最近ではこれ以上に厳しく管理されています。これはスーパーにより方針が違うので全てには当てはまりませんが、あるスーパーは家族では入れません。基本は1人のみ、且つカートの台数は制限され、カートが全部使われている場合は、ある人が出てきて、そのカートをもらって入ることができるような措置が取られています。

それでも

上記の通り、日本より厳しい対策を講じても3月26日時点でBW州の感染者数は8000人を超えました。
(今はもっと増えています)ドイツ全土では10万人を超えています。つまり、これだけの対策を講じても増え続けるのです。
東京のような常に人と接しているような場所で、上記のような対策は現実的に実行するのは難しいと思います。ですが、まだ美容院は営業とか(必要ないと思われます)、3密を避けるってなんだか内容が曖昧すぎるように感じます。
3人以上の集会が禁止されていて、罰則もあってもこんなに増え続けるのに、3密を避けるだけで感染の爆発を防げるのか本当に心配です。

私たちは森とか自由に歩ける場所がたくさんあるのでまだ良いですが、東京などの大都市だとどこにいっても人と距離が近いし、狭い家に子どもたちをずっと閉じ込めておくわけにもいかないし、本当に本当に大変な状況だと思います。
なので、ドイツの例を全てにあてはめることはできないと思いますが、それでももう少し感染をできるだけ抑えるためにできることがあるような気がします。(国のリーダーがね)

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